メンがヘラしてる伊藤

答えの出ないこととか、答えがもう出てるけど聞きたいこととか、考えてることとか

くだらない長い話

首吊り自殺未遂をした時のはなし。

 

元彼がわたしに女性との関係を隠しているのは察しがついていた。

元彼の必死の言い訳の矛盾点を、わたしはツイッターで挙げ連ねていたが、次第にツイートの焦点は「どの女の子か」ということに移っていった。

ちょうどその辺りで、わたしのアカウントをチェックしていたであろう元彼は、嘘をつきましたとLINEで告白をしてきた。もうやめてくれと。

長々とLINEで言い訳を続けるので、こういうことは直接話すんもんだよ、と怒ったら、電話をかけてきた。

その電話で、元彼は飲み会に参加しながらわたしに謝罪のLINEを送ってきていたことを知った。

わたしが散々悩んで考えてるのに呑気に夜中まで酒かよ、死ね、と思った。

 

わたしの予想は大体当たってた。

女の勘が働いたとはこう言うことかと思われるかもしれないが、実際は元彼のついた嘘があまりにお粗末だったからだ。

新しい女性がいること、わたしを招いた新居の買い出しをその女性と一緒にしたこと、そのまま新居に泊めたこと、女性が自分用のトリートメントを置いて行ったこと、関係はまだ持ってないことなど、全部聞いた。

全部聞いたら、関係を持っていないのは相手が生理であることを伝えてきたから、だった。

それで必死にまだヤってない!って言うもんだから、面白かった。

 

わたしって何だろう?と思った。

転職したばかりで職場にもまだ居場所があるとも言えず、友人との関係でも悩みがあった。

無理言って一人都会に出てきてるわたしは、迷惑をかけ続けている親に相談もできずにいた。

かなり追い詰められている時期に、それなりに信じたいと思っていた相手からの、この仕打ちはキツかった。

 

出来るだけ悪者にはなりたくない。面倒なことは避けたい。都合のいい関係を壊したくない。嘘をついて誤魔化してしまおう。

えりかが傷付くと思ったから、という建前で。

どうせこんなところだと思う。

わたしがこれまでの付き合いで「嘘だけはつかないでほしい」と頼み込んでいたことなど、記憶の片隅にも無かったのだろう。

 

それらの嘘だけでも十分なくらいわたしを傷ついたが、嘘をついてまで「配慮」をしてあげたわたしにすら、

元彼は性欲を抑えることができなかった。

 

わたしは別れてからも好きだという気持ちがずっと残っていたし、むしろ今もそれに苦しめられているのだが、

そんなわたしに、新しい女性がいるけどセックスしよう、なんて言うほど開き直る勇気は無かったのだろう。

そんな女性いないよ、会社の人たちを泊めただけだよ、なんて分かりやすい嘘をつき、

疑うわたしを責め立てた。

 

まぁ、とにかく嘘をつかれていたのだ。小学生でも分かるような、本当に程度の低い嘘だった。

言い換えてみると、わたしの価値はその程度だった、ということだと思う。

綿密に嘘を準備しておく価値も、本当のことを話すほどの価値もなかった。書いててあまりにしんどくてマジ涙出てきたつらい。

 

わたしは本当のことを、何度も何度も何度も言葉の矛盾を指摘して、聞き出した。

それでも新しい嘘が出てくる。やっぱりそれは嘘でした、本当はこうですと。まだ嘘ついてるかもしんないけど、全部話した信じてくれって言われたので、今は疑うことをやめた。

これまでにも信じてくれって言われて、後からやっぱ嘘でした、ってやり取り二回くらいあったけどね。

 

そんなやり取りを続けるにつれて、もともと自信がないわたしは、好きな人にすらこんな扱いを受けている人間はこれから先もずっとゴミのように扱われて生きていくのだろうと思ってしまった。

それなら、これ以上苦しむ前に、これ以上人に迷惑をかける前に死のうと思った。

もういい死ぬわ、と伝えると、散々わたしに嘘をついて裏切ってきた元彼が、

わたしという人間の素晴らしさを語り始めた。

失笑だった。電話を一方的に切って、首を吊った。

 

それでもなんか普通に起きちゃった。多分脈の位置がうまく掴めなくて、意識を落とすところまで行けなかったんだと思う。

起きてから、もう一度首を引っ掛け直しながら、スマホを眺めてた。

あれだけ泣いて、わたしに死なないでくれと言っていた元彼は、お気に入りのかわいい声優のキャラをゲームで引くため、

ゲーム内のスタミナが増えるツイート?をしていた。

なんか、すごい辛かった。

メンヘラだなーと思うけど、首を吊るときは、一切元彼がどうとか考えていなかったのに、

案外生き残っちゃうと、いやお前その程度かよ!みたいな。もっとなんかないの!?一応半年付き合ってたんだけど!?

 

というか、わたしに普段散々仕事の愚痴を聞かせておいて、よりによってその仕事関係の女の話かよ。

お気に入りの声優ちゃんに「ダイエットとかしなくてもいいですよ〜♡」と言われたと、ニヤニヤしながら話してきたの、わたしまだ覚えてるぞ。

わたしとのデート中にずっと気持ち悪いくらい女の子のツイッターチェックしてたのも覚えてるぞ。

お家デートでも、わたしがいくらじゃれついてみても、女の子のツイッターチェック、エゴサ、オタクへの媚売りをし続けて全く構ってくれなかったの、へこんだぞ。

お気に入りの子の公式ページをお気に入りバーにまだ入れてチェックしてんの、知ってんだぞ。

 

あ、そういえばわたしも付き合いたての頃は逐一チェックされてたな。なんだか似てるね。

今は違う意味でチェックされてるけど。

 

話が逸れちゃったけど、まあ辛かった。ガチャ以下の自殺。今ならめっちゃウケるんだけど。

メンヘラは他人に期待をしすぎ、というツイートを見かけたことがあるけど、本当にそうだと思う。

わたしは性欲処理女として扱わられているのを理解しながら、ふつうの友達のように、接してもらえることを期待してた。

会いたい、出来るだけ会えるようにするね、嘘はもうつかないよ、俺もまだ好きだよとか。

そういうの全部、信じようとしてた。

 

ホワイトデーだから食事に行こう、新居にもおいでよ、と誘われたのは、えりかのために、時間を置こうと一ヶ月前に言われてから久しぶりの連絡だった。

よりを戻すとまで行かなくても、少しずつ、溝が埋められるかなと期待してた。

一ヶ月の間に、わたしのこと少しでも考えてくれたかな。

友だちとしてでもいいから、喧嘩しないで仲良く付き合っていけるかな。

 

メンヘラは、他人に期待をしすぎて、現実が見れないんだな、と思った。